「魔の2歳児」
育児をしている方もそうでない方も
誰もが知っている言葉ではないですか?
これは別名イヤイヤ期を表現したものです。
魔の2歳児だなんて名前がついているので、
子どもがイヤイヤを言い出したら、
「イヤイヤ期がきてしまった」と
苦い顔をする親は多いかもしれません。
ですが、このイヤイヤ期、
素晴らしい成長を遂げている時期なのです!
確かに、かんしゃくフルパワーで
全力でママやパパに
「いやだー!!!!!」をぶつけます。
こんなところで寝っ転がらないでよー
騒がないでよー泣かないでよー
そんな場面にいくらでも遭遇します。
だから、ついイラっとしてしまったり、
怒鳴ってしまうこともありますよね。
「いくら成長とわかっていても、
やっぱりイライラしてしまう。」
「どう対応したらいいかわからない。」
これが本音ですよね^^;
そこで今回は、子どもの「いや」が
起こるときの脳の仕組みについて、
わかりやすく紹介されていた
本があったのでご紹介したいと思います。
「子どもの「いや」に困ったときに読む本」
著者 大河原美似
こちらの本によると、子どもの「いや」に
関わる脳の仕組みは脳の三層構造で
もたらされている働きによって
起きているといいます。
主に、身体を司っているのが脳幹部。
次に、感情と記憶を司るのが辺縁系。
そして、人間だけが高度に発達した
賢い脳みそを皮質といい、
この皮質の前の部分に前頭前野があります。
この前頭前野は、考えた通りに行動する
という実行するための機能
をしている場所です。
感情と記憶、身体を司っている
辺縁系と脳幹部は
命を守るために機能している本能的な賢さ
を持つ脳みその部分です。
この本では、この脳の働きを
「いやいや脳」と表現しています。
実は、「いや」の元になっている
「イヤな気持ち」はこの脳の働きから
出てきているそうなのです!
「イヤ」という気持ちは命を守るために、
本能的に備わっている、優秀な機能。
そう考えると、
すごく大切な反応だと思いませんか?^^
他にも、言葉によって、
ママやパパのいうことを理解して
いうことを聞こうと思う脳の働きがあり、
これは皮質の前頭前野の部分が担っています。
この働きを「おりこう脳」と
この本では読んでいます。
さて、この「いやいや脳」と
「おりこう脳」ですが、とても重要な
役割を担っています。
ことばを有している皮質の部分は、
年齢と共に少しずつ発達していくのですが、
生まれた時には、まだこの「おりこう脳」は
機能していません。
乳児が泣いてコミュニケーションを取るのは
そういうことです。
つまり人間の脳は、生まれた時には命と
身体を守るための機能を持っている
「いやいや脳」の部分しか
機能していないのです。
そして、「おりこう脳」は生まれてから
成長発達に伴って“20年”かかって
完成するのだそうです。
そう考えると、
「魔の2歳児」ってまだまだ脳が未完成。
命を守るために働いている、
この本能的な反応を止めることは
できないのも仕方がないと思えますね。
とは言っても、
実際にこの「魔の2歳児」はどのように
対応していけば良いのでしょうか。
まず、先にお伝えしたいことは、
「がまんする力」についてです。
これは、いやいや脳とおりこう脳、
両者がそれぞれで反応して葛藤し、
これらの葛藤に、折り合いをつけることが
できる能力のことを言います。
例えば、
「もっと寝ていたいなぁ(イヤイヤ脳)」
「起きなくちゃダメだよ(おりこう脳)」
このような葛藤の折り合いをつけるのが、
「がまんする力」ということです。
そして、この「がまんする力」の脳の機能を
健全に育てていくために
乳幼児の時期に特に重要なことが
子どもが不快なときに、「安心・安全」を
与えることができる関係性です。
いやいや脳から出てくる不快な身体感覚や
感情は、命を守ってもらうための
サインとして生じます。
それを養育者はキャッチして、
子どもを保護し、欲求が満たされて、
「安心・安全」に包まれると、
不快は制御されるそうです。
これが、がまんする力が育つための
基盤になるといいます。
「魔の2歳児」と言われる時期は、
ことばを覚えてほんの少しだけ
おりこう脳が発達しているとき。
でも、まだまだ様々なことを
理解するのは難しい。
にも関わらず、いろんなことに興味を持って
活発に行動したり、意志を持ったりして、
「危ないー!ダメ!!!」と親が
制御しないと、子どもの命を守れないほど。
でも、2歳児にとっては
「なんでダメなのかわからない」のです。
欲求不満になっていやいや脳が全開、
かんしゃくをフルパワーで向けてきます。
これがほぼ毎日続くのですから、
ママも困り果ててしまい、
ストレスにもなっていきますよね。
ですが、この時期の子どものかんしゃくは、
コントロールする力がまだ育っていない
ということを理解した上で、
安心と安全で不安を包み込むことを繰り返し、
かんしゃくも温かく見守っていくことが、
将来のがまんする力を育てる基盤になるのです。
さらにこちらの本では、
以下のメッセージが添えられていました。
「問題」というものは、子どもが「いや」を
主張して、かんしゃくを起こしたり、
泣きわめいたりするから生じるのではなく、
子どものかんしゃくや泣きわめきを見て、
ママやパパが穏やかな気持ちでは
いられなくなることから生じるのです。
つまり、ママやパパがストレスフルな心に
なってはいないか?心に余裕はあるか?
などの自分の状態を把握し、
ダメならば、リフレッシュをする時間を作る
などして、心に余裕を作ることで
かんしゃくに対してもゆとりある対応が
できるようになるということですね^^
なお、シンプルパフォーマンスセラピーでは
自分自身の状態を把握するのに、
とても有効なセルフセラピースキルです。
「大丈夫」と思っていたけど、
実際には大丈夫ではなかった!
と気づくことができた方もいます。
一生懸命に頑張る真面目な方ほど、
心の余裕がないものです。
子どものかんしゃくやイヤイヤ期のパワーは
本当にエネルギッシュです。
疲労困憊な状態でいたら、
つい、子どもにイライラをぶつけてしまって
後悔をしてしまうことにもなりかねません。
成長していることをじっくりと感じて、
イライラをぶつけない育児が
シンプルパフォーマンスセラピーの
セルフケアでできるようになりますよ^^
子どものイヤイヤ期に疲れている
子どもがこれからイヤイヤ期を迎えるので
とても対応が心配イライラしない
育児をしたいもっと心にゆとりを持ちたい
そんな方々は、
ぜひ、オンライン体験会で
シンプルパフォーマンスセラピーを
実践してみてくださいね^^
【執筆者:室屋梨沙】